会長挨拶

一般社団法人 宮崎県社会福祉士会
会長 川﨑 順子

宮崎県社会福祉士会にとりまして、2023年は記念すべき30周年を迎える年であります。
1987年相談援助の専門職として国家資格が位置づけられて以来、今では福祉関連職の採用条件に資格保有者であることが明確に位置づけられる時代となりました。 それは、これまでの諸先輩たちが社会福祉士としての実践を示し、社会的信用を得てきた成果でもあります。 ここに、感謝の意を表するとともに、これからの社会福祉士会の方向性を考えてみたいと思います。

社会情勢に目を向けると、少子高齢・人口減社会の流れは大きく変わる見通しは見当たりません。 そのような中、潜在化したニーズや地域生活課題は次々と新しいキーワードで語られています。 8050問題、ヤングケアラー、ひきこもり問題等社会的孤立の実態は深刻さを増すばかりです。 このような事態をどのように打破していくのか、またどのように立ち向かうのか、まさしく、ここに参集する社会福祉士の会員が、その英知を出し合い、解決の道筋へと導いていく職能団体として存在価値があるのではないかと考えます。

言うまでもなく社会福祉士は、分野を問わず幅広い生活関連領域に携わることが可能であり、それが強みでもある専門職ですが、個々人の日々の実践となるとスペシフィック領域に深く入り込んでいる現実かと思われます。 そんなときにこそ、会員同士でソーシャルワークの共通基盤に立ち返る機会をもつことが必要ではないかと痛感しています。 なぜならば、誰の利益のために支援しているのか自分の立ち位置を見失うことがあるからです。 その意味で「原点」に立ち返る、常に倫理綱領・行動規範を基底とした社会福祉士の使命と役割を確認しながら自己研鑽できる場所が、社会福祉士会であってほしいと願っています。

また、社会福祉法改正により、地域共生社会の実現に向けて市町村では「重層的支援体制整備事業」に取り組まれています。 その要に多くの会員が関わっていることは喜ばしいことです。 今後はその経験を「実践の言語化」と「研究」へと進化させていくこと、そして、社会福祉士会の活動スタイルを「ソーシャルアクション」も包含して普遍化していく時期であると認識しています。

このようなことを踏まえ、2023年度中には「中期計画」が完成する予定であります。 その計画に基づいて、会員と共に議論を重ねながら専門職能団体として更なる発展に努めてまいる所存です。

最後に、これまで各方面から関係機関・団体の皆様方には並々ならぬご尽力をいただきました事に感謝申し上げますとともに、今後とも引き続きご支援賜りますようお願い申し上げます。


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